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メンテナンス

レーザ式プーリアライメント器「プラライン」

計測技術 2003年9月号掲載

レーザ式プーリアライメント器「プラライン」
<ベルト駆動プーリ、チェーン駆動のスプロケットをレーザで完璧にアライメント>

(株)テイエルブイ  八木 聡

1.アライメントの重要性

プーリやスプロケットが適切にアライメントされていないと、プーリ、ベルト、スプロケット、チェーンそしてベアリングの早期磨耗や故障、異常振動等のトラブルが発生し、やがては突発事故の発生等、深刻な問題が起こり得る。これまでプーリやスプロケットは糸や定規を使用してアライメントを実施していた。中でも一般的な方法として、糸を使用したアライメント手法がある。この手法(写真1)は、まず、プーリの直径上の二点を糸で合わせる。そしてプーリを半回転させ、もう一度確認する。この手法の場合、特に三点だけ糸に接触していると、プーリの角付近では糸が曲がりやすく、オフセットなのか左右の倒れなのか見分けることが困難になる。さらに、ミスアライメントの測定と修正が同時に実行できないので、測定と修正を何度も繰返すことになり、アライメントに時間がかかり、誤差も出やすくなるといった問題をかかえている。

写真1 糸を使ったアライメント計測

2.プララインの特長と効果

写真2 プララインの外観

プラライン(写真2)はカップリングの心出し装置として広く認知されている「ロータライン」のレーザを使用した測定とマグネットを使用した取付け技術を採用し、取付け・測定・アライメントに要する時間、作業に必要な人数、そして修正作業時の間違いを大幅に削減する。

また、高精度のアライメントがメンテナンスに必要な労力を削減し、設備の生産時間延長に貢献する。

(1) 特長
  • ①丈夫で軽く、付属部品をなくす心配がない。
  • ②その強力な磁石で様々なプーリやスプロケットの表面に取付けることができる。
  • ③倒れ成分の測定に、プリズムで反射させる独自技術を採用している。
  • ④アライメントに必要な3つのデータを一度に確認することができる。
  • ⑤どんなプーリサイズであっても、長いスパンを測ることができる。
(2) 効果
  • ①従来の糸や定規を使用した方法より簡単に使用でき、訓練の必要はない。
  • ②1人で測定しながら修正を同時におこなえるため、作業が効率的。
  • ③ベルト、チェーン、プーリ、スプロケットやベアリングの長寿命化。
  • ④振動が低減できる。
  • ⑤故障による設備停止時間、修理に要する労力とエネルギーコストを削減できる。
3.プララインによるアライメント

実際にプララインを使用したアライメントを紹介する。プーリのミスアライメントを示すパラメータは(a)軸方向のオフセット、(b)上下の倒れ、(c)左右の倒れの三つで、これらが組み合わされて発生している(第1図)。

図1 ミスアライメントの状態

しかし従来の糸による方法では、上下の倒れ(b)を測ることはできなかった(写真3)

写真3 糸や定規で測れていなかった上下の倒れ

プララインはプーリにマグネットで簡単に取付けることができる(写真4)。

プララインの設置状態

そしてレーザ発射器と反射器上に、三つのミスアライメントがレーザの線で判りやすく表示される。アライメントの手順(第2図)は

  • ①まず上下の倒れをレーザの線が反射器上の基準線と平行になるまで、修正側の機械にシムを入れて調整する。
  • ②次に左右の倒れを発射器上のレーザの線が中心線と一致するように修正側機械を左右に動かし、修正する。
  • ③最後にオフセットを反射器上のレーザ線が中心線と一致するまで修正する側の機械のプーリを軸方向に前後させる。

これらの作業はそれぞれ独立して行うが、その間、他の二つのアライメント変化をリアルタイムに見ることができるので、効率よくアライメントができる。

第2図 アライメントの手順

4.用途

Vベルト、タイミングベルト、フラットベルト、チェーンドライブ等の各種ベルトやチェーン駆動プーリのアライメント調整や日常点検

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