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語句説明

は行

背圧

JISにも定義されているバルブ用語で、トラップやバルブの二次側圧力のことです。

多くのトラップでは背圧は弁を開く方向の力=開弁力として作用します。一次圧力が一定のまま背圧だけが大きくなるとトラップの開弁力が大きくなりますので、トラップの種類によっては閉弁状態が維持できず開弁したままになってしまうものがあります。

バイパスバルブ

減圧弁や制御弁、スチームトラップなどにバイパス配管が設けられることが多く、ここに設置されているバルブをバイパスバルブと呼びます。

バイパス配管の役割に応じて設置に適したバルブのタイプが異なります。

機器の交換や修理時のバックアップラインとしてのバイパス回路。

減圧弁やトラップの能力を補う目的としたバイパス回路には玉形弁タイプが、減圧弁やトラップの能力を補うことを目的としたバイパス回路にはボール弁タイプがバイパスバルブとして適しています。

パイロット式減圧弁

バルブの開度変化を蒸気の力で行う減圧弁です。

蒸気輸送管では設備の稼働状況によって蒸気流量は大きく変わります。また、個々の装置でスタートアップ時と定常状態では、蒸気の使用量が大きく異なります。これらの条件にはパイロット式減圧弁でないと対応できません。そのため通常、蒸気用の減圧弁と言えばパイロット式が一般的です。

長所は、使用可能な流量範囲が直動式に比べて広く、流量や一次圧力の変化によって二次圧力が変動する現象(オフセット)が起こりにくい点、短所は、直動式に比べ大型、高価、構造が複雑な点です。

  • 詳しい情報はこちら
    もっと知りたい蒸気のお話 - 蒸気用減圧弁

バタフライ弁

流路に弁体を「回転させて」止めるタイプのバルブです。

バタフライ弁は面間寸法を極めて短くでき、圧力損失も小さいことが特長です。水・空気等の用途で多く使われます。

フェイルオープン構造

X-エレメントはダイヤフラムが破損した時、開弁状態(フェイルオープン)になるように設計されています。

スチームトラップは、故障した時、開弁状態を維持する場合(吹き放し)と閉弁状態を維持する場合(フン詰まり)があります。閉弁状態となれば、装置の運転を止めて故障トラップを交換出来ない連続プロセスにおいてはドレンが滞留し、装置に加熱不良を引き起こします。逆に開弁状態となれば蒸気が引き続き供給され、装置で生産し続けることができます。この機構はダイヤフラムが破損した時、蒸気やドレンが流入してエレメントが膨張し、弁が弁口と接触し閉弁状態になったとしても、破損時には弁中央部にある小穴を通って、弁口からドレンなどが流れるようにしたものです。

X-エレメント:フェイルオープン機構(ダイヤフラムが破損した場合)

一次側圧力が維持される限り、弁は押し上げられて全開状態“フェイルオープン”をキープします。

X-エレメント:フェイルオープン機構(ダイヤフラムが破損した場合)

弁の内穴を通ってドレンは流れるため、“フェイルオープン”をキープします。この時の流量は最大排出時の60%となります。

フラッシュ蒸気

高圧高温のドレンが低圧の雰囲気に晒されたときにドレンの一部が蒸気になる現象をフラッシュまたは再蒸発と呼び、このようにして発生した蒸気がフラッシュ蒸気や再蒸発蒸気と呼ばれます。

フリーフロート

フリーフロートは、レバーやヒンジなどがつかないフロートが浮力を利用し、流入してくるドレンの量に合わせてフロートと弁口との距離が変わって弁口が大きく開いたり閉じたりする、フロートそのものが弁の役割を果たす機構です。

真球に近い中空の球体に研磨されたフリーフロートそのものが弁であるため、フロート表面のどこでもシールができます。そのため、高い信頼性と耐久性を備えています。また、フロートの浮力を利用していることから、スチームトラップ内のドレンの水位は弁口よりも少し上部にあり、弁口は常にウォーターシール(水封)され、蒸気の漏洩を許しません。

ドレンの連続排出

フリーフロート・スチームトラップ

球状の密閉フロートが受ける浮力の大きさによって常に弁口開度を調節しながらドレンを連続的に排出するスチームトラップです。球形のフロート自体が弁の役目をすることで長寿命化を実現しています。

  • ・流入量に応じてドレンを連続排出するため装置の熱効率を最大限に維持
  • ・背圧許容度が高く、ドレンを回収する用途に最適
  • ・蒸気ロスを低減できる

といった特長があります。

フリーボールバケット

レバーやヒンジが無く、自由に動くことのできる欠球型のバケットそのものが弁体を兼ねるTLV独自のバケット機構です。

ヒンジやレバーの磨耗や変形に起因するトラブルとは無縁であるほか、自由に動くことができるバケットは、弁口に着座する箇所が1箇所ではなく、バケットの全面となり、弁の耐久性能を優れたものにしています。

フリーボールバケット

フロートダイナミック機構

小型で大容量を実現するために考案された、フリーフロートを用いたTLV独自のパイロット機構です。

大容量を実現するためには大きな弁口が必要ですが、フリーフロートトラップで大弁口を採用するとなると、とてつもなく大きな直径のフロートが必要になります。そこで、流体(ドレン)そのものの圧力を利用して弁を開閉するパイロット機構が考案されました。

スチームトラップにドレンが流入すると、フロートが浮き上がり、パイロット弁座から離れます。離れるとパイロット弁口が開き、ドレンがピストン下部の変圧室に流れ込みます。この時、ドレンは再蒸発し、変圧室の圧力は直ちにスチームトラップ内の圧力と近い圧力になります。その結果、主弁とピストンの面積比から主弁を上方に押す力が勝り、主弁が開かれ大きな弁口から大量のドレンが排出されます。

ドレンが排出され少なくなるとフロートが下降し、パイロット弁座の位置まで戻り、パイロット弁口を覆います。パイロット弁口が閉弁すると、ピストン下部の変圧室の圧力は消滅し主弁は下方に移動し、主弁が完全に閉弁します。

フロート3点支持

フロートの着座をより安定させ、シール性を高める為の機構です。3次元的に計算し、完全に弁口を塞ぐことができるガイド上の2箇所、そして弁口の計3点でフロートを支持します。よってドレンが極めて少なくウォーターシールを見込めない場所でも、蒸気(又は空気・ガス)を漏洩しません。

フロート3点支持

閉弁力(フリーフロート・スチームトラップ)

閉弁力は弁を閉弁させる方向に作用する力です。

閉弁力はオリフィス前後の圧力差とオリフィス径から生じる力です。身近な例では、浴槽の湯を排水する際に一旦抜いた栓を排水口に近づけると吸い寄せられて栓が閉まってしまうことがあります。これと同じ力がフリーフロートトラップの内部でも作用しています。これが閉弁力です。オリフィス径が一定であれば圧力差が大きいほど閉弁力は大きくなります。逆に圧力差が一定であれば、オリフィス径が大きいほど閉弁力は大きくなります。

飽和蒸気

最も身近な蒸気の状態です。飽和状態とは液相の水と気相の水が共存している状態で、別の表現をすれば、蒸発する速度と凝縮する速度が同じです。

ボイラーで発生する蒸気は基本的に飽和蒸気です。加熱源としてみた場合、種々の優れた特性があり、100℃~200℃の加熱を行うための熱源としては非常に広く使用されています。

飽和蒸気表

蒸気表は非常に便利で、飽和蒸気の場合は温度が分かればその圧力が分かります。逆に圧力が分かっていれば飽和温度を知ることができます。他の情報としては、比エンタルピーという値もよく使用します。

飽和状態とは、液相と気相が同時に存在している状態です。従って、飽和蒸気表には飽和水(液相部分)の種々の値と、飽和蒸気(気相部分)の種々の値が併記されています。

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    もっと知りたい蒸気のお話
     - 蒸気表の見方

ボールバタフライ弁

ボール状の弁体にスピンドルを貫通させたボール弁です。

通常のボール弁は閉弁時、流体の圧力で下流側弁座へ押し付けられるように弁体が僅かに移動します。そのため、開閉時にトルク変動が伴うことと、低差圧時のシール性が悪いという難点があります。これに対し、ボールバタフライ弁では、ボールが移動しないため、バタフライ弁と同様にスムーズな動きが可能です。また、弁座は皿ばねと呼ばれるリング状のばねで常に一定圧力で弁体に押し付けられています。この機構により弁の一次側と二次側の二面でのシールとなるため、優れたシール性を発揮します。

ボール状の弁体にスピンドルを貫通させたボール弁です

ボール弁

流路に弁体を「回転させて」止めるタイプのバルブです。

ボール弁は締切性能が非常に高く、ハンドルを90度回転させるだけで開閉ができるため便利です。流路を配管内径と同じ大きさとするフルボア化が可能で、圧力損失の小さい弁を作ることができます。また、弁軸も90度回転するだけであるため、グランドシールからの漏れが極めて起こりにくいという特長もあります。

注意点としては、全開/全閉以外の途中の開度で流量調整などに使用しないことです。 ボールバルブは円環状のソフトシート弁座が使用されているため、途中の開度で使用すると弁座の一部分だけに力が加わることになり、弁座が変形することがあります。弁座が変形するとシール性能が低下して漏れてしまいます。