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流量計測

 

流量の定義

流量はJIS B0100バルブ用語では「単位時間に流れる流体の体積または質量」と定義されています。体積流量とはリットル/分、m3/hなどで表される流量です。質量流量とはグラム/分、kg/hなどで表される流量です。空気や水などは体積流量で表現されることが多く、蒸気は質量流量で表現されることが多いようです。

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体積流量質量流量

体積流量と質量流量

 

体積流量と質量流量の注意点

圧縮性流体は圧力や温度によって比体積が大きく異なるため、体積流量を示す際にはどのような条件での流量かを明示するか、基準状態に換算した流量で示す必要があります。

質量流量で示す場合はその心配が無いように思えますが、計測に使った流量計が「体積流量計」で、表示単位が質量流量の場合は注意しなければなりません。体積流量から質量流量へ変換する際に比体積の値を使用するからです。圧力に応じて、適切な比体積を使わなければ正しい質量流量は得られません。体積流量計と質量流量計については後述します。

 

瞬時流量と積算流量

流量には瞬時流量と積算流量という言葉もあります。例えば、1つのバケツがあるとします。水道の蛇口を少し開いてバケツに水を溜めていき、バケツを満杯にします。一度バケツを空にして、今度は蛇口を大きく開き、勢いよく水を出してバケツに水を溜めていきます。すると、最初に水を溜めた時よりも短い時間でバケツは満杯になります。この例に、「流量」という言葉をあてはめると、蛇口の開度が小さい時は瞬時流量が小さく、開度が大きい時は瞬時流量が大きいと言えます。

一方、蛇口から放出された水の総量=積算流量は、同じバケツを満杯にするだけの量なので、蛇口の開度が小さい時と大きい時を比べても同じです。バケツ一杯分、二杯分・・・蛇口からどれだけの量の水を出したのかを問題にする時には、1つのバケツが何秒で満杯になるかを問題にしていません。

瞬時流量と積算流量

このように積算流量(積算量)は、「どれだけ必要か」「どれだけ使ったか」を表す際に用いられる量と言えます。電気代、ガス代、水道代等色々な代金の請求は積算量で行われます。

 

蒸気用の流量計

流量計測を行うための計器は流量計と呼ばれます。流量計には様々な原理があり、色々な製品が実用化されています。蒸気用には渦式やオリフィス式がよく使用されます。

流量計の多くは体積流量計です。管の断面積が分かり、管内流体の流速を計測すれば体積流量が得られることから、多くの体積流量計は流速を計測する方式をとっています。

質量流量計は近年種類が増えてきている流量計で、質量流量を直接計測することができます。但し、残念ながら蒸気用の質量流量計は無いようです。

 

流量計選定のために流量を知る?

流量計を設置するためにはサイズ選定を行います。流量計には計測可能な範囲が定められており、実流量がその範囲から外れると計測することができません。「サイズ選定」については機器選定と配管サイズでご説明しています。

「流量が分からないから流量計を設置したいのに、そのためには流量の特定が必要」というのは矛盾していますが、測定範囲が決まっている以上仕方がありません。

流量は、厳密に求めなくても、測定範囲に入っているかどうか判断できるレベルで結構です。流量を特定するには、装置の蒸気消費量を積算します。蒸気消費量は装置の仕様や仕事の量(被加熱物の質量×比熱×昇温幅)から特定できます。蒸し庫や蒸気噴射などでは仕事の量で特定することも難しいので、バルブのCv値とバルブ前後の圧力差から計算して蒸気量を推定する方法が有効です。