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減圧弁の定格流量

 

減圧弁の最大流量とは

減圧弁の定格流量とは、ある圧力条件において、あらかじめ定めたオフセット分だけ二次側圧力が低下したときの蒸気流量です。

定格流量とオフセット

つまり「それ以上の流量だと設定圧力が維持できなくなる」という値であり、一次側圧力を一定にして、所定のオフセット内(許容オフセット値以内)において保証し得る最大流量です。実用上は、「調整可能な流量範囲の上限値」と言え、定格流量は減圧弁の機種ごとに異なります。

 

オフセットとは

定格流量は、許容オフセット値によって決定されます。 オフセットという言葉は世の中で広く使われています。オフセット印刷をはじめ、制御用語における定常偏差の意味のオフセット、揃った位置から敢えてずらした距離の意味のオフセット等々。

減圧弁におけるオフセットとは、一次側圧力を一定に維持した状態で減圧弁の流量を最小調整可能流量から徐々に増加させていったときに生じる、二次側圧力の設定圧力との差です。

流量を増加させていくと二次側圧力は低下し、設定圧力との差であるオフセットは大きくなっていきます。このオフセットの許容可能な上限を定めたものが許容オフセット値です。

減圧弁におけるオフセット

TLVの基準では、許容オフセット値を「二次圧力(設定圧力)を絶対圧力で表したときの圧力の5%、ただし最小値は0.025MPa」と定めており、この許容オフセット値で定格流量を求めています。

 

定格流量が最大値なら最小値は?

制御可能な蒸気流量の最小値は、減圧弁の機構や性能によって変わってくるため、減圧弁の機種によって異なります。 最小値は定格流量の5%や10%などと示されたり、絶対値として20kg/hなどと示されたりします。 いずれの場合でも、自力式減圧弁の制御可能な蒸気流量の最小値がゼロになることはありません。

流量がゼロになると調整可能範囲から逸脱し、制御がうまくいきません。多くの場合、設定している二次側圧力よりも上昇していきます。この現象は、減圧弁の「締切昇圧」と呼ばれるもので、減圧弁を使用する上でこの点には注意をする必要があります。「締切昇圧」については減圧弁の締切昇圧で解説しています。