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蒸気の基本

トラップからの湯気

 

湯気と蒸気の違いは?

湯気は蒸気が空中で細かい水滴になり、光を乱反射するため白く見えるものです。つまり、湯気は空気中に浮遊している液相の水です。一方蒸気は、液相の水が蒸発潜熱を受け取って気相に相変化したもので、無色透明の気体です。日常生活では湯気=蒸気でも特に問題ありませんが、業務上で蒸気を扱う場合には、まずここを区別しておく必要があります。

 

トラップから湯気が出る

では、トラップからの湯気はなぜ発生するのでしょうか?ドレンが持つ熱量と大気圧の飽和水が持つことのできる熱量との間に差がある場合、その熱量差によりドレン自身の一部が再蒸発します。そしてその再蒸発蒸気=フラッシュ蒸気が空気中で凝縮し非常に細かい水滴になったものを、私達はトラップから発生した湯気として目にしています。従って、排出温度によって異なりますが高温のドレンを排出しているトラップからは、多かれ少なかれ常に湯気は発生します。

 

それにしても湯気の量が多いのでは?!

このトラップ出口に見られる湯気が多い場合、スチームトラップの故障、つまり蒸気漏れと勘違いされることもあります。では実際、フラッシュ蒸気としての湯気はどの位出ているのでしょうか?例えば、1.0MPaGのドレン10kg/hがトラップから大気に排出されているときのフラッシュ蒸気量は約1.6kg/hです。しかしその体積は約2.7立方メートルにもなります(家庭の浴槽4杯分より大きな体積です)。このフラッシュ蒸気が拡散しながら湯気化するのですから「湯気が多いな」と思われるのも無理はないのかもしれませんが、フラッシュ蒸気は蒸気漏れとは異なりますのでご注意下さい。

 

蒸気輸送配管用フリーフロート・スチームトラップの排出状況

トラップが正常でも蒸気が漏れているように見えるのは、上述のようにフラッシュ蒸気の仕業です。このように、ドレン量が変わるとドレンとフラッシュ蒸気の噴出状態も変わります。

ドレン量が変わるとドレンとフラッシュ蒸気の噴出状態も変わります。