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蒸気のトラブル

エアバインディング(空気障害)

 

エアバインディングとは

エアバインディングは空気障害とも呼ばれています。スチームトラップやエアトラップ/ガストラップ等のドレントラップが空気に代表される不凝縮ガスによって閉弁状態となり、排出すべきドレンを排出できなくなる状態を言います。

エアバインディングは空気障害とも呼ばれています

改めておさらいですが、スチームトラップ等のドレントラップは、以下の2点を目的とした自動弁です。

  • ドレンは速やかに排出する
  • 蒸気や空気など輸送流体(または使用目的流体)は排出せずにブロックする

従って、エアバインディングを起こすこと自体は、スチームトラップやドレントラップの機能の面からは「正しいこと」だと言えます。

気体によってトラップが閉弁してしまうという点は、スチームロッキング(=蒸気障害)とメカニズムは同じです。異なる点は、時間が経ってもスチームトラップやドレントラップが使用される圧力域・温度域では空気は放熱による凝縮をしないため、放置していても解消することが無く障害が継続してしまうという点です。

エアバインディングの問題点

では、このような現象を防ぐ対策としては、どのような方法があるのか、蒸気用であるスチームトラップと空気やガス用であるエアトラップ・ガストラップ等のドレントラップとに別けて考えてみましょう。

 

対策:蒸気用スチームトラップの場合

スチームトラップにおけるエアバインディングと、空気用やガス用のドレントラップにおけるエアバインディングとでは、決定的に異なる点があります。

スチームトラップにおいては空気などの不凝縮ガスは輸送流体(または使用目的流体)ではなく“邪魔者”と見做して良いと言うことです。

そこで多くのスチームトラップでは空気などの不凝縮ガスを自動的に排出できる自動エアブロー機構=エアベント機構を装備しています。

これにより、障害の原因となっている空気や不凝縮ガスを下流側へ逃がしてしまおうという考えです。

自動ブロー機構
X-エレメントによる自動ブロー

エアバインディング:X-エレメントによる自動ブロー

バイメタルによる自動ブロー

エアバインディング:バイメタルによる自動ブロー

蒸気配管系統において空気等の不凝縮ガスは、蒸気を送気する前に配管や装置内より排除しなければいけない存在です。蒸気通気前の配管内は常温であることから、自動エアブロー機構には温度を利用した原理が多く、低温時に強制開弁して空気を抜いてしまい、蒸気温度になると閉弁するなどして蒸気を漏らしません。

 

対策:空気用・ガス用のトラップの場合

空気用・ガス用のトラップの場合、障害の原因となるのが輸送流体(または使用目的流体)であるため、蒸気用トラップのように、下流側に逃がしてしまうという方法をとることはできません。

そこで、トラップ内部で障害の原因となっている空気や不凝縮ガスを、十分な容積のある空間へ「戻す」ことでトラップ内部へドレンが流入できるようにしてやります。この「戻りの配管」は均圧管(=バランスライン)と呼ばれエアトラップやドレントラップの取扱説明書にも記載されています。エアバインディングを防止するために非常に有効な配管です。

空気用・ガス用のトラップの場合:エアバインディング

このとき重要なことは、文字通り均圧が取れているかどうかです。均圧が取れて同圧となることで、比重の大きなドレンは下方へ落ち、比重の小さな空気やガス体はトラップ上方の均圧管から気相部分へ戻ることでドレンがスムーズにトラップ内へ流入できるようになります。

均圧管設置の注意点

しかし接続先の圧力の方が高い場合は逆流が生じ、一層事態を悪化させてしまいます。また、均圧配管が細すぎると、配管抵抗による圧力損失が過大となり、障害の原因となっている不凝縮ガスが十分に抜けない可能性がでてきます。

接続先の圧力の方が高い場合

均圧管設置の注意点:接続先の圧力の方が高い場合

均圧配管が細すぎる場合

均圧管設置の注意点:均圧配管が細すぎる場合

尚、流体が上から下へと流れる垂直配管に設置された空気用・ガス用のトラップでは、トラップ一次側配管の内部で気液置換が行われるため、空気障害が起こることはないと考えられます。そのため、均圧管の敷設も不要です。

 

いずれのトラップの場合も言えること

蒸気用スチームトラップ、空気・ガス用トラップのそれぞれについて、対策を述べてきましたが、いずれにしてもトラップへドレンが流入しやすい配管となっていることが前提です。

トラップ手前の立ち上がり配管がNGなのは言うまでもなく、トラップ手前の配管を極力太く、極力短くすることでエアバインディングは起こりにくくなります。