修理に時間がかかる上に代えが効かない装置の突発故障を未然に防ぎたい…
オンラインによる回転機械モニタリングシステムの導入でベアリング(軸受け)異常を早期発見。
生産機械の更新が進まず、何十年もメンテナンスしながら生産を続けてきましたが、突発故障が頻繁に発生するようになり、その解決が重要なテーマになっています。
オンラインによる回転機械モニタリングシステムを導入することで、ベアリング(軸受け)異常を早期に発見し突発故障による機会損失や生産機械のメンテナンスコストの削減に成功した事例をご紹介します。
繊維会社様
使用装置名 | 化学繊維製造装置 |
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生産物 | 高機能繊維 |
採用いただいた製品
お悩み
生産機械を更新できない状況下で、入手できない部品も出てきた・・・
数十年にわたってメンテナンスをしながら代えが利かない生産機械を使い続けてきましたが、最近では突発故障が頻繁に発生するようになり困っています。突発故障によるダメージは生産機会が失われることだけではなく、部品が壊れてしまうことでもあります。部品が入手できなくなってしまっている場合にはこの修理のためだけに部品の製作を発注するなど、時間とコストに大幅なロスが生じるようになってきています。そして今後もこの状況は増加はしても改善される見込みはありません。
問い合わせのきっかけ
展示会で相談をしてみた
東京ビッグサイトで開催されたメンテナンス関連の展示会にブースを出展していたTLVに軽い気持ちで相談をしたら、後日思いがけず的確な提案をしてくれたので驚きました。その後情報交換を続ける中で課題を掘り下げて解決策を具体化してくれたおかげでとんとん拍子に進展しました。
解決策
オンラインによる回転機械モニタリングシステムを導入
センサーと中継BOX(マルチプレクサー)とSIGNALMASTERで構成された回転機械モニタリングシステムを導入することにしました。このシステムでは162点までセンサーを接続し、オンラインでリアルタイムに振動を監視することができます。しかし初回の設置であるため特に監視が必要な①~➈の10箇所(②は②と②’の2つ)に限定しました。
今回の導入で「加速度オーバーオール」「速度オーバーオール」「ショックパルス」「時間波形」の4種類のデータが測定されます。また重要なベアリング1箇所だけはより正確なデータが収集できるよう低速と通常の2種類のセンサーを設置しました。
センサーはエポキシ系補修材で固定できるため、ドリルで穴をあけるなど大切な生産機械に傷を付ける心配も不要です。
改善結果
ベアリング異常の兆候を捉え、突発故障を防止
回転機械モニタリングシステムを導入して約3週間後、➂のベアリングのショックパルス値が閾値を超えていることが分かりました。直ぐにグリスアップを実施するとショックパルス値は正常値に戻り、従来は常に発生していたキーンという金属音がなくなったことからも適切な対処ができている実感があります。異常の兆候を確実にとらえることが確認できたことから、今後はタイムリーに適切な対処をすることで、生産機会だけでなく、部品の破損による損失も防止できることが分かりました。
お客様の声
「導入後、直ぐに軸受けの異常兆候が発見され、どのような設備状態で生産をしているかを知ることができました。今後はこの化学繊維製造装置に設置するセンサーの数を20個以上に増やして小さなトラブルの間に問題を発見・解消し、突発故障をゼロにして機会損失や無駄なコストもゼロにしたいです。また他の機械への展開も視野に入れて経過観察をしたいとも考えています。」