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蒸気のトラブル

ヒートサイクル

 

このような現象は起こっていませんか?

装置内から「ミシミシ」「カチカチ」「ペキペキ」というような音が聞こえることはありませんか?「ミシミシミシ」と何かがはがれるような音は、装置破損などのトラブルに繋がります。

ヒートサイクルのイメージ

装置の破損を引き起こす要因として、ヒートサイクルがあります。これは、伝熱管やヒーターに高温部分と低温部分が繰り返し発生することで疲労破壊を招き、装置破損に繋がる現象です。

装置の材料である金属は比較的熱膨張率が大きく、温度が高くなると伸び量が大きくなります。場所による温度差が大きいと伸び量の差も大きくなり、その結果部品が変形したり、破断してしまうこともあります。破断は、大きな力によって引き起こされるだけでなく、小さな力の繰り返しでも起こり得ます。

 

ヒートサイクルを発生させないための対策

装置が繰り返し想定外の変形・歪みを起こさないよう、原因となる偏った温度分布を装置内に生じさせないようにします。偏った温度分布の最大の原因は、装置内部にドレンが滞留してしまうストール現象と考えられます。

ストール現象が発生している熱交換器に大きな負荷変動があると、その都度、温度の低い状態から高い状態またはその逆に、数十℃も温度変化する箇所が出現します。ここが想定外の変形・歪みを繰り返し受け、破損の原因になるのです。

ストール現象を解消するには、 電気を使用しないトラップ内蔵メカニカルポンプや真空用ドレン回収ポンプを使用して、装置内のドレンを強制的に排除することが有効です。

電気を使用しないトラップ内蔵メカニカルポンプ

電気を使用しないトラップ内蔵メカニカルポンプ

低圧ドレンも吸引して回収する真空用ドレン回収ポンプ

低圧ドレンも吸引して回収する真空用ドレン回収ポンプ

 

ヒートサイクル発生のメカニズム

高温と低温を繰り返すヒートサイクルによる金属疲労

ドレンが滞留している箇所のチューブは膨張量が小さいのに対し、蒸気で満たされているチューブは膨張量が大きくなっています。もともと同じ長さに切り揃えられたチューブを格子状に組み上げたヒーターですから、場所によって膨張量が違えば歪みが生じます。この歪みによる応力が繰り返しかかることにより、ろう付け部など比較的弱い箇所で破断してしまうのです。

高温と低温を繰り返すことによる金属疲労で発生するヒートサイクル