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ドレン回収

ドレン回収とは

 

ドレンとは

ドレンとは、気体である蒸気が液体である水に相変化した姿です。熱交換器などで蒸気を使用するとドレンが発生します。これは蒸気の持つ熱エネルギーのうち、潜熱と呼ばれるエネルギーが、蒸気から被加熱物に移動した結果です。

ドレンとは、気体である蒸気が液体である水に相変化した姿です。熱交換器などで蒸気を使用するとドレンが発生します。

潜熱と顕熱

潜熱とは、水が液体から気体へ相変化する際に外部から受け取ったエネルギーで、気化熱とも呼ばれます。液体から気体へ相変化する際に受け取ったエネルギーですから、これを放出すると蒸気は気体ではなくなり、液体の水へ戻ります。例えば1t/hの蒸気が熱交換器などで加熱に使われると、蒸気量と同じ1t/hのドレンが発生します。しかも、発生したドレンは相変化する前の蒸気と同じ温度なのです。ドレンは高温の熱水であり、顕熱と呼ばれる熱エネルギーを持っています。飽和蒸気が潜熱を失えばドレンになるわけですから、装置だけでなく蒸気輸送配管でも放熱によりドレンは発生します。

潜熱と顕熱

 

ドレン回収とは

ドレン回収とは、スチームトラップから排出される顕熱を十分に保有しているドレンをそのまま捨ててしまうのではなく、回収した上で何らかの形で再利用することです。それにより蒸気の省エネ促進と水資源の節減を図ります。

ドレン回収には、下記のように様々な方法があります。

  • そのまま「温水」として機器の洗浄などに利用する方法
  • フラッシュ蒸気を取り出して利用する方法
  • 高温を保ったままボイラーまで戻してきて再びボイラーへ直接給水する方法

 

ドレン回収の効果

高温の熱水であるドレンは、上手に再利用すれば大きな省エネルギーに繋げることができます。また、ドレンは水資源としても利用価値があります。

省エネルギー

ドレンは顕熱を保有しています。この顕熱の量は元の蒸気が持っていた熱エネルギーの20~30%に相当します。効果的に回収して再利用すればボイラー燃料を最大30%も低減できる可能性があります。

また、高温ドレンをボイラーの給水として再利用すれば、ボイラーの負荷が軽減され、見かけ上のボイラー効率も向上します。

水資源の節約

ドレンは蒸気が水に戻ったものですから、工業用水として再利用できます。理論的には蒸留水=純水ですから、回収輸送中に混入する不純物等を取り除けばボイラー給水として再利用できますので、ボイラー給水時の水処理費用の低減にもなります。

環境保全

ドレン回収によってボイラー燃料使用量を減らすことができれば、その分、CO2排出量を低減でき、合わせてNOxやSOxの排出量も低減するので大気汚染の軽減にも繋がります。

また、ドレンを大気に放出すると大量の湯気が発生しますが、これもうまく回収できれば見映えや環境保全の改善にもなります。

ドレンを回収する際にはスチームトラップの出口がドレン回収管に接続されるので、副次的な効果としてドレン排出音の軽減が図れます。

ドレン回収をした場合

ドレン回収をした場合

ドレン回収をしない場合

ドレン回収をしない場合